「ハワイで売ると、仲介手数料はいくらかかるの?」「日本と同じ3%?」。売却を考えはじめたオーナー様から、最初によくいただくご質問です。
結論から言うと、ハワイ(アメリカ)の仲介手数料には、日本のような法律で決まった上限がありません。売主とエージェントが契約で取り決めるものです。さらに2024年8月から、買主側のエージェントへの報酬のルールも変わりました。この記事では、手数料のしくみと、売主として知っておきたいポイントをまとめました。
この記事は一般的な情報のご紹介です。実際の手数料や条件は、契約内容によって異なります。税金については日米の税理士にご確認ください。
日本とハワイの違い
| 日本 | ハワイ | |
|---|---|---|
| 金額の決まり方 | 法律で上限あり(400万円を超える取引は、売買価格の3%+6万円+消費税まで) | 法律の上限なし。売主とエージェントの契約で決める |
| 買主側のエージェント | 買主が自分の仲介会社に払うのが一般的 | 買主とエージェントが書面で取り決める。売主が負担に応じることもある |
| 支払いのタイミング | 売買契約時と引き渡し時に分けることが多い | 決済時に、エスクローで売却代金から差し引かれるのが一般的 |
| 税金 | 消費税 | エージェントの収入にハワイ州のGET(一般消費税)がかかり、手数料に上乗せされることもある(ハワイ州) |
日本の上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通省の告示によるものです。
1仲介手数料は「交渉で決まる」
ハワイでは、仲介手数料は法律で決まった金額ではなく、売主とエージェントが媒介契約(リスティング契約)で取り決めます。以前は、売主が売却価格の5〜6%を負担し、それを売主側と買主側のエージェントで分けるのが一般的とされていました(Hawaii Business)。今も手数料は、エージェントとの交渉で決まります。
媒介契約では、手数料のほかに次の点も確認しましょう。
- 契約期間:何か月の契約か、期間中に解約できるか
- 手数料に含まれるサービス:写真、ステージング、広告などの費用を誰が負担するか
- 買主側のエージェントへの報酬:売主として負担に応じるかどうか(次の章)
22024年8月からの新ルール
全米リアルター協会(NAR)の和解により、2024年8月17日から、アメリカの不動産取引のルールが変わりました(NAR)。ハワイ(ホノルル不動産協会のMLS)でも同じルールが適用されています。
MLSに報酬を載せない
売りに出す物件の情報網(MLS)に、買主側のエージェントへの報酬を載せることができなくなりました。
買主はエージェントと書面で契約
買主側のエージェントは、内覧の前に、買主と報酬などを定めた書面の契約を結ぶ必要があります。
売主が負担に応じることもできる
MLSの外で、売主が買主側のエージェントへの報酬を負担することはできます。金額は売主が書面で承認します。買主の諸費用を売主が一部負担する(セラー・コンセッション)形もあります(Hawaii Business)。
つまり、買主側の報酬を「売主が払うか、どこまで払うか」も、交渉の一部になりました。オファーの中で、買主から負担を求められることもあります。手取りを考えるうえでも大切なポイントです。
3手数料に含まれるもの

仲介手数料は、売却が成立するまでのエージェントの仕事への対価です。一般的には、次のような仕事が含まれます。
- 査定:同じ建物や近くの似た物件の成約価格から、売り出し価格を提案
- 売り出しの準備:修理・清掃・ステージングの手配、写真撮影(ステージングの様子、プロ清掃の様子、修理の手配)
- 販売活動:MLSへの掲載、内覧・オープンハウスの対応
- 交渉:価格や条件の交渉、カウンターオファー
- 決済まで:エスクローや管理組合とのやり取り、書類の確認
日本にお住まいのオーナー様の場合は、これらを日本語で報告・相談しながら進められるかも大事なポイントです。
4いつ、どうやって払う?
仲介手数料は、売り出し前に前払いするのではなく、売却が成立した決済時に、エスクロー会社が売却代金から差し引いて支払うのが一般的です。同じタイミングで、源泉徴収(FIRPTA・HARPTA)やそのほかの諸費用も差し引かれます。くわしくは「ハワイの不動産を売却するときの税金と流れ」をご覧ください。
5確定申告での扱い

日本にお住まいの方がハワイの不動産を売ると、翌年に日本でも申告が必要です。仲介手数料は、日本の譲渡所得の計算で譲渡費用として差し引けます(国税庁 No.3255)。アメリカの申告でも、売却のための費用として利益の計算に含めるのが一般的です。
決済のときにエスクロー会社から届く精算書(クロージング・ステートメント)には、手数料や諸費用がすべて記載されています。日米の申告で使うので、必ず保管しておきましょう。
エージェントを選ぶときは「手取り」で比べる
手数料の安さだけでエージェントを選ぶと、売り出し価格の設定や準備、交渉の差で、かえって手取りが少なくなることもあります。比べるときは、次の点もあわせて確認するのがおすすめです。
- その建物やエリアの成約事例を、具体的に説明してくれるか
- 売り出し前の準備(修理・清掃・ステージング・写真)を任せられるか
- 源泉徴収や日米の申告まで見すえて、手取りの見込みを出してくれるか
- 日本から、日本語でこまめに状況を確認できるか
よくあるご質問
仲介手数料は値引きできますか?
法律で決まった金額ではないため、契約の前に話し合って決めます。手数料だけでなく、含まれるサービスや、買主側のエージェントへの報酬をどうするかもあわせて確認しましょう。
売れなかった場合も手数料はかかりますか?
一般的には、売却が成立した決済時に支払うものです。ただし、契約によっては売主の都合で解約した場合の取り決めなどがあるので、媒介契約の内容を確認しましょう。
買主側のエージェントの報酬も、売主が払わないといけませんか?
2024年8月からは、買主側の報酬は買主とそのエージェントの間で書面で決めるのが原則です。売主が負担に応じるかどうかは、交渉で決まります。市場の状況や物件によって判断が変わるので、売り出し前にご相談ください。
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